おいらんすきあしひめかえる

深夜とにかく外にでて逃げ出したくなったけど(夫の人がドリフ大爆笑をTVでつけた途端にそっこー寝たのを見計らい見つからないよう願い家ぬけでた)
逃げる方向がわからなかったのでしだれ柳が両脇に立ち並んでいる、ちょっと京都っぽくもあるけれどもっと品のない用水路的小川が横に延々と続いているっぽい知らない道を(実際に家のまわりに似た道はない)突き進んでいたら、夜に目がなれたり、今にも明るさを失いそうな死にかかった外灯効果から知らない顔もみえない子どもたちがとても遅い夜の時間にもかかわらずぼそぼそキャッキャッいいながら水面を覗きこんだり棒のようなものでちっさいガキ特有のなんもかんがえてないリズム感のなさで叩いたりしていた
外灯に照らされている部分の小川の壁はアメリカザリガニがびっしりのぼってきていた

子どもたちのうしろには顔がみえない主婦群がちらほらいて、わたしを遠目に見たりしだれ柳からしだれ柳へと忍者のように移動していた
わたしは全部すごくどうでもよかった
ほんの少し歩くと濁った小川の上流の方からアズマヒキガエル大の上にアズマヒキガエル中小がのっておんぶしているようなかたちで無表情でちょっと流れが早くなってる小川を流れていっていたのでよくわかわないのだけど、
わたしには今一番これがいちばんにやる事、それで間違いなくあっていて、こうすることしかないと思い、その場で全裸になり服は道に捨てたと思う 普段履かないビーサンは夢でははいてて投げ飛ばすように無駄に脱いだと思う
5m先くらいのところを延々と泳がれてなかなかつかまえることができなくてしばらくヒキガエルもわたしも
お水の流れに身を任せて流され続け、もうつかまえられる気など失せ、なんとなく手を伸ばしたらヒキガエル大だけつかまえられたので
あわてて小川からあがった
忍者の動きをしている主婦群がどん引きしていてわたしもほんの少しではあるけれどじぶんに引いたけれども、主婦群にはバーカと思い、
忍者主婦を母親として、何か聞いているこどもたちにはうるせーと思い
ヒキガエルをはやくケージにいれたくて小脇に抱えて家に向かって小走りした

家まで目と鼻の先なところに今までなかった小さい湖沼湖ができあがっていて、ヒキガエルを抱えたまま水面をみると同じ種類のヒキガエル、違う種類のヒキガエル、現実に存在しないヒキガエル、オイランスキアシヒメカエルの群れがいっぱいだった
足元の草むらに持ちての部分も腐り、網の部分も所々破けている汚い昆虫網があったので、
ためしに水にいれてジャブジャブやってみてすくいあげるとオイランスキアシヒメカエルがびっしり、桜餅のような微妙なピンク、
外国のゼリービーンズのようなあっぱらぱーピンク・色の両生類の卵がびっしり入っていたのでこれは大変だと思い、抜け出したはずの
家だけれどいちばん近いしいちばん不審がられないのでバケツかなにか入れ物だけでも寝ているのを確認してからとりにいこうとして、
とりあえず最初のヒキガエルだけかかえて帰っていると、後ろから耳元をかすめてブゥーンと羽音を鳴らしながら
昆虫っぽいのが飛んで行き木にとまったのでみてみるとヒラタクワガタに似ているけれどエメラルドグリーンないしはエメラルドグリーンに近い黄緑
足はバランスよく四本
目は退化しているようでない
さわりごこちは脱皮したての蟹で大きさが30cmほど
気持ち悪いけどこのこももって帰ることにして交流のしるしに指をはさませてみたが単にぶよぶよしてるだけで全く痛くなかったし
不快よりだった