一日前からマンションの外からかすかに子猫の声がきこえて仕方がない
学生のころはそういう猫の声が聞こえたらわざわざ草をかきわけて道のないところまでいったりして猫を見つけて
飼うことにしたり飼い主を見つけたり看取ったりしてきた(全部なんとなく元気にまかせて)
けれど最近はもう大人になって偶然出会わないかぎりはこねこは連れ帰らないことにきめることができているし、
何回か今まで外で猫の声が聞こえたときもあったけど偶然全員と逢うことはなかったから聞いてるけど
聞かない耳ができるようになっていた
一日前くらいから聞こえているこねこの声は何か機械の音が生き物の猫の鳴き声にきこえているのか
それか本当にこねこの鳴き声なのか、それかかすかにわたしが想像してほんとに聞こえた気になっている幻聴なのかはっきりしない
さっき、ふいにまた外から例のこねこの声が聞こえてきた時、ああもう あああいつ(こねこ)はバカだ
と愛情がある少しイラっとする気持ちになり、実際いるのかいないのかわからない猫を
わざわざ自分の中の規則を破ってでも見にいこうとしているじぶんは一番バカだしちょっと情けないような気もするなと、ビニール袋にこねこと逢った時用の
ドライフードをいれて小さくまとめたものを大きいパーカーのポケットにねじこみつつゆっくりおもった
リミットは1時間程度でこちらからわざわざ声をあげて探したりしないルールで家の付近をゆっくり歩いた
まったくこねこの声は聞こえなかった こういう時に限って生き物は声をあげてくれたりはしないけれどいよいよ何かの聞き間違いか想像の音がほんとに
聞こえた気がしたかどっちか説ばかりが強くなるなと思って、でもそっちのほうが嬉しいなと考えながら
公園の鉄棒のところにもたれながらまわりの音に少し集中する気持ち(気持ちだけ)になっていたら公園で放されてる黒いラブラドールが
わたしのそばを歩き回りだしたので、わたしは座りなおして、こねこは見かけなかった?って質問をすると
黒いラブラドールは鼻をフンフンしてわたしのポケットの中キャットフードの匂いばかりを気にしてそのままどこかに行ってしまった
わたしはなんだかちょっと笑えてきたし犬って、、と思いながら立ち上がりまだ通っていない道をゆっくり通ってみながらスーパーに行ってアイスクリームを買って家に帰った